金城一国斎と高盛絵
「高盛絵」は近代漆工史の中で、ひときわ輝く個性美を放ち続ける独特の漆芸技法です。
花や果実に誘われる蜂や蝶 、それを狙うカマキリを生き生きと立体的に
表現するなど独特の世界を創り上げました。
広島で発展したこの技法は歴代金城一国斎が受け継いで来ました。
漆芸家 金城一国斎は、 幕末に尾張徳川藩の小納戸御用塗師であり、時代蒔絵を得意とした初代一国斎を祖とし、
尾張藩を出奔し、独自の漆芸を追い求め、高盛絵を創案した二代一国斎、
明治に入り、内国勧業博覧会などに出品 受賞し、漆芸技法として高盛絵を確立した三代一国斎、
大正 昭和に、茶道俳句など風流人として高盛絵に色を添えた四代一国斎、
赤塚自得の門をたたき、蒔絵を修得し細密な高盛絵を創り上げた五代一国斎、
五代の右腕として、創作を助け現在へ伝えた六代一国斎、
そして彫漆や切金を加え、新たな高盛絵を創造する七代一国斎に受け継がれています。